時をかける表象

東京大学文科2類。記事と日記に分かれてます。

東大生のアイデンティティ

2019/04/19 金曜日

 

今日は3限からなのに7時に起きてしまった

1限があるのに8時に起きた昨日とは打って変わって、必要ないときに限って早起きをしてしまうのは何故なんだろう

受験勉強が嫌だと言っている大学生ほど、朝刊に載ったセンター試験を自主的に解き、嫌々やっている部活から解放されるテスト期間に無性に部活に行きたくなるのと同じような気がする

人は何かを強制されている内は、それに対して快く思わないことも少なくないが、急にそれから解放されると、何故かそれに引き寄せられるような心地がする

まるで無意識のうちに調教されていたかのように

こういうアメとムチを上手く使い分けられるような非情な人間ほど、世間から見れば立派なリーダーになっていたりするのではないか

もう散ってしまった桜の木を窓から眺めながら、電車でこんなことを書いている

 

多分、自分は陸上部に入る

何故なのかはわからないが、高校入学時も結局入部した

自分が部員の時はもう絶対引退したら走らないだろうな、と思うのだが、いざ合格して春休みになると、無性に走りたくなる

何がそうさせるのかはわからないが、自由にしていいよと言われると袖を掴みたくなるような、DV男みたいな競技をまた始まることになりそうだ

元々サークルなんかに入る気はなかったし、部活をやるなら陸上部しか考えられなかったので、何も入らないか陸上部に入るかの二択だったのだが、なぜ自分が入ろうと思ったのかについて後付けで理由を考えてみた

 

東大に入って自分のアイデンティティが一つ失われたから、というのが1番有力な説のような気がする

東大にいると、「東大生である」「勉強ができる」という自分のアイデンティティが相対化されるにも関わらず、「周りの東大生はすごい」と思わされるという、矛盾した感情に押しつぶされそうになることがよくある

しかし周りを見ていると、東大に行くことが当たり前のような超進学校の生徒は、もっと前にこういうアイデンティティの喪失を経験しているような気がする

その証拠に、授業や部活や新歓パーティなどの様々な局面で「初対面から存在感がやかましい」人間はあまり聞いたことのない高校出身の方が多い気がする

もちろん超進学校の出身者が7〜8人集まって騒いでいることも多いが、今言ってるのは大勢の人がいる場でやたらと声が大きかったり、反応がやかましかったり、聞いてもないのにやたらとマウント取ってきたりするタイプの人についてである

いやこれは完全な主観だし、それが悪いとは全く思わない、むしろ自然な行動だと自分は思っている

あと多分この現象は、高校の同級生が少ないから大学デビューがしやすいことに起因するのではないか、とも思う

勉強で勝てないから不真面目マウント路線にシフトしたのかもしれない

「俺、授業中ずっと寝てたから」的な発言もよく聞くし

暗かった高校時代を取り戻すためなのか、もしくは輝いていた高校時代が奪われることに恐れているのかはわからないが、何か焦っているようにも見える彼らが6月ごろにどういう様子になっているのかは個人的に興味がある

結局、「○○な東大生」になりたがっているのではないか、そのために髪や服装に気を配り、何かしらの集団に属し、解放された今までの人生の袖を掴むように過去に執着してアイデンティティを求めているのではないか

執着した上で踏襲するのか自己変革に至るのかは人によって異なると思うが

それが無駄にチャラそうだったり、やたらと頭おかしそうに見せている人間を生んでいるような気がする

自分が入部を決意したのもその類のことなんじゃないかと思った

同学年に知人が数人しかいない中で、今まで自分がやってきた中で1番得意なものに喪失したアイデンティティの一翼を担わせたのではないか、と思った

もちろん陸上は普通に好きだけど、学業やバイトや時間的制限を考えた時に悩んだのも事実だった

質問に答えてくれる人も大勢いたが、最終的に背中を押したのは過去の自分だった、ような気がしている