時をかける表象

東大に2度落ちてもなお未だに浪人生をしているという学生の日記。記事と日記に分かれてます

【プリクラの中の「私」が私を殺しにくる】

2018/09/17 月曜日

 

もしプリクラの中の「私」に自我が芽生えたとしたら、きっと私を殺しにくるだろうと思う

自分とそっくりで、それはそれは醜い現実の私を殺しにくるに違いない

プリクラを写真の1枚目に、2枚目には普通の写真を載せた投稿スタイルを昨今のSNSではよく見かけるが、まるでこの世界の答え合わせのような投稿だなといつも思う

1枚目の夢や理想をそのままにするわけでもなく、もしかしたらプリ機で盛っているだけかもという心配が杞憂に終わることもなく、2枚目の写真で現実を突きつけてくる

盛れたプリクラと普通の写真との対比で違いが浮き彫りになり、天井まで吊り上げられた期待が、指一本のスワイプで地をエグるように奈落の底まで落ちていく

美しくなる努力をテクノロジーの進展と医療の発達に任せてしまった現代社会の秘密が漏れてしまうような気さえしてしまう

そんな「激漏れ」ショットに飼いならされた今日の学生の口癖は「このプリ機は盛れない」

 

まるで吹奏楽部のソロパートで音程を外したソリストが、ミスした瞬間に楽器を二度見するように、自分の力量のなさを機械のせいにする

化粧という名の嘘を顔面に塗りたくっても「私」には勝てなくて、いつしかプリクラの「私」を本当の私だと錯覚する

真実を鏡の裏に不法投棄し、400円を握りしめて、一過性の美しさに課金する

私が「私」に食われてしまった時、きっと「私」は私を殺しにくるだろう

自分とそっくりで、それはそれは醜い現実の私を殺しにくるに違いない