2018/06/23 土曜日
祭りに行く
点滴ジュースというものを見つけた
これで600円
ちなみに中身はカルピスとかコーラとかファンタとかから選べるという
薬局で買えば1.5Lを150円くらいで買えるのに、やたら行列ができていてびっくりした
物珍しさに人間は弱いのだろう
なんとなく流れに乗って買ってみたが、意外と実用性が高かった
点滴の管がストローになっていて、その根元にストッパーがついている
ここでロックしているときは溢れないし、ロックを解除すると、injectionという英単語が脳内で踊る間も無く口の中にジュースが流れ込む仕組みになっている
これを首からぶら下げて飲みたい時に飲む
わざわざカバンからジュースを取り出して、キャップを開け、そのキャップを落とさないように握りしめつつ、通りすがりの人に気を遣いながら、ボトルを天に向けてジュースを飲むという行為をしなくて済む
ただ童心に返って飲みたい時に赤ん坊みたいにチューチュー吸うだけで良いのだ
お祭りにはうってつけの飲み物だし、なにより見た目が面白い
こうして腕に差し込んだ素振りをするだけでちびっ子達の視線が集まる
通りすがりの女子高生も「なんやあれ」みたいな顔で見られて、もうどうにでもあれといった気分になる
内容量だけなら数十円の価値である
飲み物という観点から考えれば圧倒的に損
でも多くの人は点滴ジュースを買い求める
それは多分世の中にジュースが溢れてしまっているからだと思う
ただジュースを飲むだけでは欲求が満ち足りない時代だから
例えばわざわざ山奥まで行ってバーベキューをしたりする人
普通に食べている肉は家でも同じなのに心なしか美味しく感じると言っている
その移動費や器具を含めれば原価の何倍にもなるはずなのに
世の中に物が溢れすぎて、ただ単に物を得るだけじゃなくて、物を得る過程が幸せを決める時代になってしまった
欲求が雪だるま式に進んで行くからこそ、全ての欲求が満たされた時代が最も不幸な時代になるかもしれない
この点滴ジュースの行列はそうした社会の仕組みを物語っているような気がした