時をかける表象

東大に2度落ちてもなお未だに浪人生をしているという学生の日記。記事と日記に分かれてます

あの日の電球ソーダ

2018/06/22 金曜日

 

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初めて電球ソーダを飲んだのは小学3年生の夏休みに韓国に行った時だった
ソーダの中に何が入っているかわからないほど眩しいそれを買ってほしいと両親にせがんだのを今でも覚えている
飲み物自体は普通のソーダなのに、何故かあそこまで自分を惹きつける
まるで生き物のようだった
深海に潜む青い魂と形容したくなるほど

幼かった自分は帰国しても必死に電球ソーダを探し続けた

人間というのはレアなものに興味を持つ
月には一面の砂漠が広がっているだけなのに人間は宇宙旅行の夢を見る

当たり前のように月に行ける時代になった時、いったい誰が進んで月へ旅行しようと思うだろうか

なかなか行けないからこそ行きたくなる

もし電球ソーダがどこにでもあったとしたら、多分あそこまで自分を惹きつけてないと思う

 

しかしとうとう電球ソーダは見つからず、いつしか自分も探すことをやめてしまった


そしてちょうど1年前、この場で電球ソーダを見つけた
あれは雨の降っている日だった
駅の上から見ると、いろんな色の傘が開いたり閉じたりして、まるで神様が天からロウソクに火をつけているようだった
傘を差しながら自分の気持ちを伝える言葉を探している途中、電球ソーダを見つけた
「あった!!電球ソーダだ!!!見つけたぞ!!!!」
思わず叫んだ
大声が雨音に吸い込まれて、人々の足音の中に消えていった
まだ彼女になっていない彼女は「どうしたの?」と聞いてきた
過去に電球ソーダを探していたこと、いつしかその興味が薄れていったこと
それらを知らない彼女は驚きと不思議さとが混じった眼差しをこちらに向けてきた


あの時、できるだけ大きな声で「見つけたぞ!!」と無意識のうちに叫んだのは、きっと10年前のあの時の自分に届くように叫んだのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

まぁ自分は韓国にも行ったことないし、電球ソーダも1回しか飲んだことないし、多分10年前に電球ソーダは存在してないし、確か1年前は晴れだし、今日電球ソーダ飲んだわけじゃないし、全て脚色なんですけどね